お店の近所の神社の桜は、もう葉桜でした。
とある出来事に接して
先週のことです。
あるお客様とのやりとりで、しばし私はモヤモヤしてしまいました。
店のあるサービスに関して、「うーん、そう来たかぁ」という行為に出くわしたのです。
このとき私が咄嗟に考えたのは、「◯◯した場合は無効です」と、サービスのルールに付け加えなくてはいけないかなぁ、ということ。
お客様を、店側の思惑どおりにコントロールしたいという、つまり「守り」に入りたくなる気持ちが湧いたのです。
でも、結局それはやめました。
ほんの一部のお客様の、こちらの想定を外れた行為がたった1回あったことで、大多数のお客様が楽しんでくれているサービスのルールを細かく規定する。
それも、店側の「利益」を守るために。
なんか違うよなぁ、それは店側の押し付けだよなぁ。
もし自分がお客様だったら、「ルール」という名の禁止事項だらけのサービスは嫌だなぁ。
そんなの押し付けられても楽しくないよなぁ。
そう思ったからです。
「そっちがその気なら」では不毛すぎるから
お客様が店側から「取れるだけ取ってやろう」「利用できるだけ利用してやろう」という思いを抱くことは、自分を含め、おそらく誰にでもあると思うんです。
「こっちはお金を払っているのだから」という理由で。
今回の出来事も、お客様のそういう部分を引き出してしまったために起きたことなのかもしれません。
そしてそのとき、最初に私の心をよぎったのは、「そっちがその気なら」という対抗意識でした。
けれど、「そっちがその気なら」には、今度はそれをされた相手が「そっちがその気なら」となり、連鎖が永遠に続いてしまいます。
それは、お店として不毛すぎる......。
少なくとも自分の店ではやりたくない......。
だってわたしが子育てカフェを運営しているのは、子育てでもなんでも、頼り合い、助け合える世の中をつくるためだから。
と思い至って、最終的にルールを追加したりはせず、なんとかこの「応酬の連鎖」を自分の番で断ち切ることができたというわけです(笑)。
お店もお客様も、助け合える場であること
繰り返しになりますが、イイトコは、子育てでもなんでも頼り合い、助け合える世の中をつくりたくて開いています。
そのために、まずはイイトコがお客様を助け、元気づけています(たぶん、すべてのビジネスの根本は同じですよね)。
すると、お客様のほうも、お店を助けてくれます。
カフェを作っているのは、店側だけじゃない。
利用してくださるお客様も一緒にカフェという場を作っている主体なのです。
少なくとも、イイトコではそうです。
お店とお客様が相互に支援し合う関係にあるということは、東京・国分寺の「クルミドコーヒー」オーナーの著書『ゆっくり、いそげ』と『続・ゆっくり、いそげ』で私が学んだことです。
そこに書かれているように、お客様が場をつくるカフェという空間には、人のいい部分、前向きな部分を引き出す役割があります。
そうして場を作っていけば、きっと、「取れるだけ取ってやろう」とか、「利用できるだけ利用してやろう」という部分が顔を見せる頻度は減っていくのではないでしょうか。
幸いなことに、以前初めてお店を訪れたお客様から、「とてつもなくいい雰囲気が溢れている」とお褒め(?)の言葉をいただいたイイトコ。
「いい空気」を作ることには、だいぶ成功しているのではないかなと自負しています。
お店はお客様を元気づけたい、支えたい、と思って場をつくります。
そして、訪れるお客様もまた、そんなお店を支える存在です。
このことに限らず、お店として、お客様のふるまいから学ばせてもらえることはたくさんありますよね。
お店も、成長させてもらえていることに今日も感謝して。
Comments